11月30日に<初級コース>第3回講座「「装う」とは何か?」を行いました。
今回は着付師の吉澤暁子さんを講師に迎え、弊社の展示会場にてお話ししていただきました。本記事では【留袖とは】【着物の選び方】の2点を主にご紹介します。
【留袖とは】
―「嫁入りの時に用意する必要はなく」「親族の結婚式以外にも着ることのできる」着物。
留袖は一番格の高い着物です。それゆえに、昔ながらの型にはめられたイメージを持ち、いざ着るとなれば失礼の無い様、恐る恐る着用するといっても過言ではありません。では、実際に留袖とはどういった衣裳なのでしょうか?
前者の理由は、着用時に柄が若くなりすぎるおそれがあるためです。嫁入りで用意した場合、着用の機会が巡ってきたときには、20年以上経ってしまっているのです。事実、今回の生徒さんにも本件で悩んでいらっしゃる方がいらっしゃいました。
後者では、他に着ることのできる場面を教えていただきました。具体的な例を挙げるなら、個展や周年記念等で自分が主立ってお客様をもてなす席です。つまり、立派なものを用意するのは自分のためではなく、来て下さるお客様や祝われる親族のためなのです。この点が普通の着物とは大きく異なる点かと思います。
【着物の選び方】
―着物は「調和の装い」であるため、「何でも試してみる」べし。
着姿は、着物の上に帯や小物をのせて初めて完成します。洋服とは違い1枚では成り立ちません。そのため、必然的に組み合わせを考えざるを得ないのです。一見、似合わないと思ったものでも、組み合わせ次第で着こなすことができる。これは着物ならではの面白さです。
また、自分に合うもの、と思って選んでいるとなかなか今の自分から抜け出せません。年を重ねるほど、気づかないうちに冒険より安定を選択し、何かに縛られがちだからです。その殻を破って、自分の持っていない素敵さを手に入れるには「第三者の見立て」で選ぶのも一つの方法です。
座学の後、展示会場を歩いて回り実物を見ながら、組み合わせ方や柄について話していただきました。着物と帯の合わせ方では、コントラストの強弱で大きく雰囲気が変わる、と教えていただきました。あまりコントラストをつけず、近い色味で合わせることで、着姿を柔らかくし、洋服の方と並んでもなじみやすく、都会風に着こなすことができます。
ここには書ききれませんが、他にも役立つ知識をたくさん教えていただきました。講座後、展示会場での着物選びも、入れたての知識を使い新しい自分を求めて、ゆっくりと楽しんでいただけたようです。
吉澤先生、ありがとうございました。
Comments